マーガレット・プロフェシー 足跡


これはステッパーズ・ストップマーガレットのサイドイベントです。
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・ストーリー(1)
・試合結果(1)
・参加剣師(1)
・ストーリー(2)
・試合結果(2)
・参加剣師(2)
・ストーリー(3)
・試合結果(3)
・参加剣師(3)
・ストーリー(4)
・試合結果(4)
・参加剣師(4)
・ストーリー(5)
・試合結果(5)
・参加剣師(5)
・ストーリー(6)


ストーリー(1)

「未来が見えたらいいな」って、思うことある?

無駄に大変な仕事の成果。難しい試験の問題。
大好きなあの子への告白の返事。なんだって分かる。
流行り病だって。株価だって。大地震だって。菊花賞の三連単だって。
未来が見えれば、どんな障害も避けることは容易く、どんな好機もその手は掴んで離さない。
やっぱり未来って、覗いてみたいもんだよね。

さぁ、そんな時。いきなり君の前に剣師が現れた!
彼は不敵な笑みを浮かべ、その両手に剣を握る。彼の存在の意義を示すかのように、剣は眩く光る。
そこにあるのは、ただ一つの純粋な『殺意』。対象は『君』。その時間から観測可能である、不変不動の事実。
─── 殺される。

ほら、早く未来を見てよ!!
奴はこの後どう動く?どうやって君を殺す?右手の剣で?左手の剣で?その剣の太刀筋は?見えるんじゃない?
いつ?その剣はいつ届く?その剣の速度は?加速度は?それに比べれば君の未来視は刹那しかない!
どこに?どこに届くの?首に?その剣は本当に君の首に届く?回避できるんじゃない?見えるのならば!
その結果は?剣は空振り?その勢いは?相手の体勢は?反撃の隙は?どの一撃を入れる?相手の見えない世界へ!
その剣よりも早く、その剣よりも的確に、その剣よりも強烈な、未来を観測してみようか!!!

君は未来が見える。何も恐れることはない。誰にだって打ち勝てる。
未来観測の時間を零へ収束させて。未来観測の視野を無限に発散させて。
その時、それは、予言になる。
「預言者の世界へ、ようこそ。」


ストーリー(2)

誰にだって、未来は見えるんだよ。

未来を見るということは、時間の壁を越えるということ。
即ちそれは、自分を更に高次の存在へと持ち上げること。
時間軸の上を自由自在に走り、低次元空間の全てを支配する。そんな想像すら危うい世界へ。
ちょっと出かけてみない?

視力とか知力とか体力とか、そんな類のステータスと一緒で、個人差はもちろんあるよ。
ピントが合わずにぼやけちゃう人もいるし、ピントを合わせるのを途中で諦めちゃう人もいる。
未来なんて見えないよ、なんていう人は、それを未来と認めていないだけ。

その視線の先に何を見たのかは、君自身が物語る。
君はどこへ?花咲く野原?一本の海岸線?深淵の沼底?険しい尾根?赤緑の木立?
その先の君は、幸か不幸か、はたまた虚無か?
気に入らないなら、変えてしまえばいい。満足ならば、頑なに守り通せばいい。
君のカタチは、見たままを映す鏡になるから。

過去から見える今の景色。今から見える未来の景色。人型全方位観測機。
ピントの収斂。研ぎ澄まされた知覚。穏やかな風の行方。
縮む数直線。我が更新式。行動価値関数。真偽交差点。十次十字。

そうして、彼女は絶えず揺らぐ線の上を歩き出した。
「もう一個、次元を増やすよ。」


ストーリー(3)

足元には、数え切れない程の光り輝く線。
宇宙のような、世界の果てのような、何もない空間で、無数の線だけが彼女の姿を照らす。

君の足元から伸びる、この全ては道。
誰かが一歩歩くごとに、君の道は揺らぎ、君が一歩歩くごとに、全ての道が揺らぐ。
揺らぐ道は他と交わり、震え、うねり、繋がり、分かれ、無限遠まで続き、行き先を変える。

そんな中で、君は自分の歩きたい道を決めれるかな?
こうしているうちにも、みんなはどんどん歩いて、君の道を閉ざしていくよ。
とりあえず歩いてみれば、新しい道も出来るかも、ね。

先を目指し、探し出して、思い描き、狙い定め、思考を回し、睨み付けて、
腕に掴み、手繰り寄せて、心を澄まし、勢いつけて、脚を伸ばし、思い切って、
その次の一歩を、踏み出すんだ!!

私の道は、こっち。私がそう決めたから。
君の道は、私には何も分からないし、君にしか決められない。
でも、これだけは言える。
・・・君が見つけた未来の中で、一番綺麗な景色を目指してね。

彼女は背中を向け、また歩き出す。
去り際に残した一つの言葉。
「私も目指すよ。君と、同じ場所へ。」


ストーリー(4)

僕は、ひたすらに歩いた。
線の揺らぎを見て、足を上げ、揺らぎに合わせて一歩を踏み出す。
その無限の繰り返しを通して、その線の揺らぎを観測し続けた。
ただ、ひたすらに。

次第に、足元の揺らぎを感じるようになった。
次第に、目を閉じて揺らぎが見えるようになった。
次第に、一歩先の揺らぎが分かるようになった。

次第に、揺らぐ道の上を自然に歩けるようになった。
次第に、揺らぐ道の上を自然に走れるようになった。
次第に、揺らぐ道の集まるこの世界を、自由に飛べるようになるんじゃないかな。


ストーリー(5)

僕は駆け抜ける。紫の空と、青白い線の間を。
『景色』はいつまで経っても見えないが、確実に近づいている。
線が、教えてくれた。

幾らかの人に出逢った。
誰もが景色を目指し、求めて歩いていた。
誰もが揃って、同じ言葉を口にしていた。
「少女に連れてこられて、こう言われたんだ。
 誰よりも早く私を見つけ出せたら、預言者になれるって。
 君も、そうなのか?」

あの子の正体は。
皆を連れてきたのは。
僕を連れてきたのは。
君は何を見て、何を思い、何を背負い、何に誓い、
何を感じ、何を捧げ、何のために、何をしているのか。

分からない。けど、
僕の目指していた景色には、いつからか、彼女の姿も映るようになっていた。

違う。
彼女の姿こそが、僕の目指す景色なんだ。


ストーリー(6)

これが、結末。
訪れてしまった時間軸の終端。通り過ぎた過去。絶対不変の存在。
観測するどころか、記憶としていつまでもその存在を誇示し続ける。

全力を使って強引に突き進んできたのか、
知恵を振り絞って未来の方角を求めたのか、
ただ雲と風の流れるほうへと歩いてきたのか。
あなたがどうやって、この結末に辿り着いたのかは分からないけれども。
あなたがどうやっても、辿り着いた結末は、もう二度と変わる事はない。

あなたが「未来」だけを見ようとしていたなら、いつまで経っても望んだ結果には辿り着けない。
真の預言者は、「未来」の奥にある「希望」という概念を見つめている。

でも、未来なんて、その間に入る全ての過程を排除した、ただの結果でしかない。
その一歩先、揺らぐ線の行方、確かなる景色。無限の観測が出来たとしても、無限の観測をしたとしても。
どんな預言者にも、仮面を被った人の心を覗くことは出来ない。
そして、一番覗くことが難しいのは、自分自身なんだよ。

「自分の本当の姿を、予言できる?」

洗脳が解けて悟る。
あなた方は─────。



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